新体操の女
某体育大学で新体操をやっていて
国体クラスの選手(自己申告)だった。
数年前知り合いよく遊んだ。
体が柔らかいのが自慢の女だった。
自主的にややこしい体位を
考案するのが好きな女だった。
ある朝
「素っ裸の新体操が見て見たい…」
と言う、ほぼ“寝言”に近い心の叫びを耳にして、彼女は
白目剥いている私にデジカメを持たせ引きずる様にして家を出た。
早朝の体育館は、春休みで誰もおらず、ひんやりとしていた。
彼女は、体育倉庫らしき扉の中に入っていった。
しばらくして、「バン」とトビラの開く音がして振り向くと
素っ裸の彼女が右手に高々とリボンをかざし、ポーズをとっていた。
一瞬視線が交錯すると、彼女はうすく笑った様だった。
昨夜遅くまでカラオケを唄って、その後私の上でも唄っていたとは
思えぬほど、伸びやかな声で歌いながら演技をはじめる彼女。
「ちょっと、まったあぁぁぁぁぁっっ!!」
私のするどい声が彼女の身体を、ビクッとさせ、無理な体勢にもかかわらず
動きを止める。
命令を待つ子犬の様な目をして私を見る。
おもむろにカーゴパンツの腿のポケットに右手を差し入れ
薄水色の小さな布を取り出した。
「パンツをはきなさい」
そう言って、薄水色のTバックを投げて渡す。
受け取った彼女はねっとりとした視線を私に向けたまま、Tバックを履いて見せた。
そしてまた、唄いながら、演技を始めた。
時々、どすけべぇな視線を
私に向けながら…